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IceCastサーマルマッピング

Thermal Mapping provides a very detailed map of temperature differences during night time hours
    概要

     概要

    一般に冬季の夜間は、一つの道路網または滑走路網の全体で最大10ºC(18ºF)の路面温度差が生じます。その結果、氷点下に達する区域とそうでない区域に分かれることがあります。

    サーマルマッピングは、高分解能の赤外線放射温度計を用いて夜間の最低路面温度の空間的変動を測定するプロセスです。ヴァイサラのサーマルマッピングは、特定の道路網または滑走路網において想定される路面温度の関係を測定する、実績と定評のある唯一の技術です。この技術は世界各地で活用されており、道路当局者や予報機関が利用できる情報の質を高めています。サーマルマッピングは、センサが設置された観測点ごとの情報を各ウェザーステーションまたは道路網全体へ拡大するメカニズムを備えており、効果的な凍結予測システムに欠かすことのできないツールです。

    サーマルマッピングでは、冬季のさまざまな天候条件下で、夜間の幹線道路網または滑走路網における各所定区域の路面温度を正確に計測し、温度差のパターンを特定します。温暖区域と寒冷区域のパターンや分布は、各地域の環境要因と卓越天気によって決まります。降霜や凍結の発生は、路面が受けるエネルギーと失うエネルギーのバランスと、有効水分量に左右されますが、これには複雑な関係をなす以下の複数の要因が影響しています。

    • 卓越天気
    • 天空率(露出度) ― 植生、建造物、トンネルなどの周辺物の有無によって決まります。道路や滑走路上に周辺物が張り出していたり、接近していたりすると、天空率は低下します。これらの周辺物によって夜間の気温低下が阻止され、路面の一定の熱保持に寄与することがあります。逆に、周辺物のまったくない環境は天空率上昇の一因となります。路面の冷却を阻止するものがないため、夜間の路面温度は低下します。
    • 標高(標高が高くなると温度は低下する)
    • 海岸や主要な水塊との近接性
    • 都市部のヒートアイランド現象
    • 切削、盛土、隆起部 ― 道路や滑走路のエネルギー束に影響する地点ごとの条件
    • 道路および滑走路の構造物(コンクリート、アスファルト、開粒度アスファルトなどの舗装材および敷設深度)
    • 交通量および交通の流れ
    これらの要因が重なり合って、それぞれの道路や滑走路の温度特性が決まります。サーマルマッピングでは、これらの変動要因を関係づけ、さまざまな気象シナリオにおける相互作用を明らかにします。

    サーマルマッピング調査では、道路や滑走路に特有の温度プロファイルであるサーマルフィンガープリントを作成します。サーマルマップは、このフィンガープリントの解析と、気象状況ごとの調査で得られた情報に基づいて構築されます。各天候状態に対応したサーマルマップは、路面温度分布のパターンや規模を特定し、相対的差異をカラーコード化された温度カテゴリーで表示します。

    ヴァイサラは、サーマルマッピングサービスの開発と提供に20年以上の経験があります。ヴァイサラの技術は、冬季のさまざまな気象条件下で業務を行う1,000以上のクライアントにグローバルベースで活用されており、北米、日本、スカンジナビア諸国、ニュージーランドなどに導入されています。サーマルマッピングは今や世界中で多くの道路当局者のベストプラクティスの確立に役立っています。
    気象条件

     気象条件

    同様の気象状況下では、幹線道路や滑走路の路面温度差は予測可能な一定のパターンを示します。温度差の範囲は気象条件に左右されます。各地域の環境要因と卓越天気を関連づけるため、サーマルマッピングでは三つの気象カテゴリーを用いて路面温度変化の違いを特定します。

    エキストリームウェザーコンディション

    一般に高気圧や気圧の尾根に伴う、無風・晴天状態。雲や風がない環境では、夜間の路面は急速に冷やされ、同一エリア内の路面温度差は最も大きくなると考えられます。

    ダンプドウェザーコンディション

    低気圧や、全天にわたる下層雲、弱い風を伴う状態。雲が覆いとなって夜間には路面にエネルギーが再反射され、風が接地層の撹拌を促進します。これらの複合的要因により、夜間の路面温度差は最も小さくなります。

    インターミデイトウェザーコンディション

    一般に中層・高層雲や弱い風を伴う一時的な気圧の尾根や前線の接近など、さまざまな気象学的条件により発生。路面温度差は、「ダンプドウェザーコンディション」の場合よりも大きくなりますが、「エキストリームウェザーコンディション」の場合ほど顕著ではありません。

    サーマルマッピング調査は、これらすべての気象条件下で行うのが理想です。しかし、地域の状況によっては、気象ステーションの設置場所選定や経路最適化のために「エキストリームウェザーコンディション」や「インターミデイトウェザーコンディション」のみを利用することもできます。

    運用方法

     運用方法

    • ヴァイサラのサーマルマッピング 調査は、GPSデータロガーに接続された高分解能赤外線放射温度計を搭載した特装車両を投入して行われます。
    • サーマルマッピング 調査は通常、(北半球の)11月~4月の23時から日の出にかけて実施されます。
    • ヴァイサラのサーマルマッピング調査は、都市部、農村部、高速道路、空港を含むさまざまな道路網や環境に対応するため、通常の車両速度で行われます。
    • サーマルマッピングは、通常5メートル間隔で測定されます。道路網の要件に応じてデータ収集の分解能を変更することも可能です。
    • 調査中は、卓越天気や路面状態の詳細な観測を行います。
    • 片側2車線道路の地点では通常、内側車線を使用して調査を行いますが、3車線以上の道路では、通常、中央車線を使用します。
    • サーマルマッピング調査に先立ち、道路網および滑走路網を約30~50kmの経路に分割し、管理しやすい小区域を設定します。経路分割によって、調査中に天候状態の継続的な観測が可能となります。1台の車両が1回の夜間調査でカバーできるエリアは「セクター」と呼ばれます。各セクターは、複数の経路で構成されています。
    • セクターと経路は常に所定の順序で調査が行われ、複数の重複区域も予定に組み入れられています。重複して調査することで、全データの比較と(一つの調査としての)最終的な関連づけが可能になります。
    • 収集されたデータを用いて、各気象条件下での最低路面温度の相対的な空間分布を示すサーマルマップを作成します。温度の相対的差異はカラーコード化された温度カテゴリーで表示されます。
    • サーマルマップは、ハードコピーまたは画像形式で出力できます。地理情報システム(GIS)環境で作成されており、ジオリファレンス処理済みで、必要に応じてエクスポートしてGISプラットフォームに組み込むことができます。
    • ヴァイサラは継続的な研究開発プログラムの下で、サーマルマッピングプロセスの向上に取り組んでいます。サーマルマッピングの精度と再現性の定期的な試験・検査はその一環であり、検証結果は国際的な学術誌でも高く評価されています。
    • ヴァイサラは、データ品質を検証し、各サーマルマッピング調査で収集された温度パターンの類似性を定量化する統計学的手法を確立しています。これらのプロセスは、ヴァイサラのサーマルマッピングプロセスが信頼性の高いものであり、同様の気象条件下であれば路面の温度差を常に再現できることを保証するものです。
    主な特長

     主な特長

    • 潜在的な危険区域の特定 ― サーマルマッピングは道路網全域の温度関係を明らかにし、最初に氷点下に達する可能性の高い区域を特定します。こうした情報は道路気象ステーションの利用だけでは明確に把握できないことがあります。
    • 的を絞った凍結防止対策 ― サーマルマッピングは路面処理が必要な地域の特定と絞り込みを可能にするとともに、経路最適化を行う上で重要な入力データを提供します。
    • 道路気象ステーションの最適な設置場所と設置台数の特定― サーマルマッピングにより、道路網や気候領域の基準地点となる安定した温度特性の道路区域を特定し、気象ステーションの設置に最適の場所を提示します。
    • 凍結予測を気象ステーションがある観測地点から道路網全域に拡大― 凍結予測システムではのサーマルマッピングにより、予測サーマルマップを利用することができます。サーマルマップは気象ステーション間の路面温度の関係を示す情報を提供することで、ネットワーク全域にわたる最低路面温度の推定を可能にします。
    • 定量基準データの提供

      意思決定ツールとしてのサーマルマッピングは、ヴァイサラの凍結予測システムと統合することで、その機能を最大限に引き出せます。道路気象ステーションによる観測点ごとの予測を、サーマルマッピングでネットワーク内のすべての道路に拡大できます。

      サーマルマッピングは、道路網全域を対象とした予想最低路面温度マップをユーザーにご提供する、ヴァイサラ凍結予測システムに不可欠の機能です。さらに、気象ステーションの設置場所の検討にも有用です。気象ステーションがネットワーク内の最も寒冷な区域に設置されているだけでは、不要な処理業務や無駄なコストの原因になるだけで、冬期の路面管理対策に成果は望めないかもしれません。