ペルーのユネスコ世界遺産マチュピチュの保全を支える自動気象ステーションネットワーク

マチュピチュは、ペルーの都市クスコの北西112km70マイル)に位置するインカ時代の要塞です。インカ帝国の最盛期である1450年頃に築かれました。家屋、テラス(段々畑)、神殿などからなるこの複合遺跡は、研磨した石垣を用いるインカの伝統的様式で建築されています。
 
チュピチュは1981年にペルー歴史保護区、1983年にユネスコ世界遺産に認定されました。2007年には全世界のインターネット投票で、「新・世界七不思議(New Seven Wonders of the World)」の1つに選ばれています。現在、マチュピチュには、数多くの建造物からなる遺跡を散策するため、12,000人以上の観光客が訪れています。100以上もの石段(中には1つの巨大な花崗岩を削ってつくられたものもあります)や多くの水汲み場があるのも遺跡の特徴です。
 

深刻な影響をもたらす季節ごとの異常気象

ペルーでは毎年夏になると南部に雨季が訪れます。アンデス地方では激しい降雨になると地滑りが相次いで発生し、家屋を破壊し鉄道や幹線道路を寸断します。ペルーで「Aluvion」や「Huaico」と呼ばれるこの自然災害は、氷河の上や周辺または上流にできた、氷で堰き止められた湖が決壊することで定期的に発生します。
 
一方、対照的な季節である乾季になると、草木や植物は極度に乾燥して非常に燃えやすくなります。そのため落雷や、観光客や地元民のちょっとした火の不始末でも深刻な森林火災に発展する恐れがあります。2008年にはマチュピチュ付近で大規模な山火事が発生し、クスコと古代要塞に間に位置する渓谷の森林800ヘクタール以上が焼失しました。消火活動に動員された消防士の数は600名以上にのぼります。
 
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 歴史保護区を守るためのネットワークづくり

こうした状況を憂慮したペルー気象庁(SENAMHI)をはじめとする関係当局は、ヴァイサラの自動気象ステーション12基で構成されるネットワークを導入しました。このシステムは風向風速計、日射計、温度計、湿度計、気圧計、降雨計を備え、一部のシステムにはさらにレーダー水位計が搭載されています。
 
このプロジェクトの目的は、異常気象や気候現象の影響を受けやすいマチュピチュ保護区に対する保全システムを拡充することです」と、元ペルー空軍少将でSENAMHI長官のウィラー・ガマラ・モリナ(Wilar Gamarra Molina)氏は述べています。気象ステーションが提供する可用性の高いリアルタイムデータや観測項目の傾向・変化の捕捉機能は、ペルー当局による事前対策やマチュピチュの周辺住民や観光客、遺跡そのものの保護に役立てられています。「SENAMHI は現在、各自治体と協力し、公共安全を高め持続可能な発展に寄与する地域ごとの早期警戒警報システムの構築に取り組んでいます。」
 
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